今回は、ウェルスナビの損失についてまとめていきたいと思います。
ロボアドバイザーに資産運用をまかせておけば、つねに利益を出しつづけてくれる。
そんなイメージをお持ちの方もけっこういるのではないでしょうか?
しかし、ロボアドバイザーも投資である以上は、そこにかならず損失のリスクはつきまとうものです。
では、ウェルスナビで損失を出さないようにするには、いったいどうすればよいのでしょうか。
また、もし損失が出てしまったときにはどう対応すればよいのか?
この記事のポイントは、以下のとおりです。
- ウェルスナビでも損失が出ることはある
- 損失をふせぐには「分散投資・積立投資・長期投資」が重要
- 損失が出てもあわてて損切りするのは禁物
- 元本割れになるリスクはかなり低い
ウェルスナビでの資産運用を考えている人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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目次
ウェルスナビで損失が出ることはあるの?
ウェルスナビでは、最先端の金融アルゴリズムにもとづいて、AIによる全自動の投資が行われます。
しかし、どれほど一流の機関投資家でも毎回かならず利益を出せるわけではないように、ロボアドバイザーでも損失を出すケースはあります。
たとえば、ウェルスナビでは資金の大部分を株式と債券で運用しているので、どうしても相場の影響が出ることは避けきれません。
実際に、株式市場では10年に一度のペースで世界全体が沈む大暴落が発生していて、そのような状況下ではどのような運用をしていても、まず損失は出てしまうものです。
また、海外投資のデメリットとして、為替レートの変動によるリスクもあげられます。
重要なのは、これらのマイナスを見込んだうえで、どれだけトータルでプラスを出していくか、という戦略です。
リスクを最小限におさえつつ、コツコツと着実に利益を積みかさねていく。
この基本については人間でもAIでも変わりはなく、なおかつそれを冷静かつ的確にこなしていくという意味では、やはりロボアドバイザーはとても優秀な投資家といえるのです。
ウェルスナビで損失を出さないための工夫
では、ウェルスナビでなるべく損失を出さないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
ここでのポイントは、以下の3つです。
- リスクを分散する
- 毎月の積立を行う
- 長期で保有する
これらはいずれも、ロボアドバイザーの運用そのものの特徴でもあるので、ぜひおぼえておいてください。
分散投資
ウェルスナビでは、海外FTF(上場投資信託)を通して厳選された6〜7種類の銘柄を保有します。
- 米国株(VTI)
- 日欧株(VEA)
- 新興国株(VWO)
- 米国債券(AGG)
- 物価連動債(TIP)
- 金(GLD)
- 不動産(IYR)
それぞれ、新興国株は変動が激しくハイリスクハイリターン、物価連動債や金は安定しているのでインフレにも強い、などといった特徴があります。
これらにうまく分散投資することで、ウェルスナビではリスクを極力おさえた運用を行っているわけです。
この運用プランには、リスク許容度というものが設定されています。
これは、どれだけリスクを取って投資するかというレベルを5段階であらわしたもので、数値が高ければ高いほど、よりハイリスク・ハイリターンのポートフォリオが組まれることになります。
つまり、あらかじめリスク許容度を低く設定しておけば、より損失を出しにくくすることもできるわけです。
多少利益は減ってもよいから、とにかく損失をできるだけ出したくないという人は、最初の診断結果でしめされたレベルよりもさらに低めに調節しておくとよいでしょう。
なお、リスク許容度は運用中でも変更することができますが、途中で方針を変えるとかえって損失を広げる可能性もあるので、できるだけひかえておきましょう。
積立投資
ウェルスナビには、毎月決まった金額を追加投資していく自動積立の機能があります。
- 月1回定額(毎月6日、12日、20日、26日、末日のいずれか)
- 月5回定額(毎月6日、12日、20日、26日、末日)
- 複数回定額(毎月6日、12日、20日、26日、末日から複数回)
- カスタム(引き落とし日ごとの金額を決め、毎月6日、12日、20日、26日、末日から複数回)
このように、定期的に同じ金額を積立投資していくことをドルコスト平均法といいます。
ドルコスト平均法では、購入金額がつねに一定なので、価格が高いときには購入数が少なくなり、価格が低いときには購入数が多くなります。
つまり、できるだけ安く買って高く買わないという投資の基本を、いちいち相場など気にせず、機械的に行うことができるわけです。
ウェルスナビではこのドルコスト平均法を、入金から購入まですべてAIが自動で行ってくれます。
人間が行うと、どうしても相場の動きを見て買い控えてしまったり、逆に買いすぎてしまったりと感情に左右されがちなので、自動積立にはその点でも大きなメリットがあります。
ウェルスナビで損失を少しでも減らしたいのであれば、ぜひこの自動積立を活用してみましょう。
コースは、毎月定額であればどれも効果は同じなので、月1回定額で問題ありません。
長期投資
ウェルスナビでは、10〜30年という長期運用を行うことで、より損失のリスクを減らすことができます。
というのも、世界の経済成長率を見ると、国によって上下はあるものの、全体では現在も3.1%という成長率をキープしているからです。
株式の相場を見ても、過去に定期的に暴落が繰り返されてきたにもかかわらず、全体で見ると右肩上がりの値動きとなっています。
つまり、世界50カ国に分散投資を行っているウェルスナビであれば、長期運用をしておけばほぼ確実にこの成長の恩恵を受けることができるというわけです。
実際にウェルスナビで1992年から25年間のシミュレーションを行ったところ、途中で2008年にリーマン・ショックがあったにもかかわらず、1,000万円の元本が2.4倍以上になるという結果が出ています。
一方、1ヶ月ごと投資するかしないかを選ぶ短期投資のシミュレーションでは、長期運用より多くの利益を出せたケースは、わずか3%にすぎませんでした。
長期運用は何もせず放置しておけばよいという手軽さはもちろん、ウェルスナビでは長期割のサービスもあるので、手数料を最大で年率0.9%まで下げるコストカットにもつながります。
ウェルスナビで少しでも損失を減らしたいのであれば、かならず長期運用をするようにしましょう。
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ウェルスナビで損失が出たときはどうすればいい?
ウェルスナビで損失が出たときは、まずとにかくあせらず冷静になることです。
というのも、相場では細かい変動が毎日起こるのが当たり前なので、一日はもちろん、一週間や一ヶ月程度でもマイナスが出る可能性は十分あるからです。
肝心なのは、そこであわてて損切りをしてしまわないこと。
じつは、ウェルスナビで損失を出している人のほとんどは、この失敗が原因となっているのです。
ウェルスナビでは当初のプランどおりに長期運用を行っていけば、かなり高い確率で利益を出すことができるアルゴリズムが組まれています。
にもかかわらず、その銘柄を途中で手ばなしてしまっては、ただ損失を確定させていることにしかなりません。
とにかく、一度はじめた運用はどれだけ価格が下がったとしても絶対に手放さないという、いわゆる「ガチホ」の姿勢でのぞむことが大切です。
ガチホ=「ガチでホールドする」、つまり購入した銘柄を保有しつづけるスタイルのこと。
なお、これは1年単位でマイナスが出た場合も同じことです。
ウェルスナビの運用は、10〜30年のスパンで見るものだ、ということをよくおぼえておいてください。
特に、ロボアドバイザーでは5年以内の運用期間だと損失が出やすいというデータもあるので、少なくとも5年以上は確実に運用をつづけるようにしましょう。
どうしても一時的な損失が気になるという人は、あえて運用結果をチェックしないようにするのもひとつの方法です。
投資にとって最大の敵は感情の揺れなので、自分よりも確実に冷静なAIにすべてをまかせてみましょう。
それでも運用をやめたくなったという人は、少なくとも損失が出ないように、マイナスが解消されるまでは待ってみるほうが得策です。
次第に価格が回復していく様子を見れば、そのうち気分が変わってくることもあるかもしれません。
ウェルスナビの元本割れのリスクは?
株投資を組み込んでいる以上、ウェルスナビでも元本割れのリスクはゼロではありません。
ただし、先ほども言ったように、これはあくまで一時的な状態なので、それほど気にする必要はありません。
むしろ、あわてて含み損の段階で損切りを行ってしまうと、本当に元本割れが確定してしまうので、ぜったいに早まらないでください。
ウェルスナビでの運用は長期が前提なので、長い目であせらず見守るようにしましょう。
また、ウェルスナビでは海外ETFに投資している関係上、為替リスクによる元本割れのリスクも無視できません。
こちらは、定期的に同じ金額で銘柄を買い続けるドルコスト平均法が有効なので、できるだけ自動積立もしておくようにしましょう。
もうひとつ、運用とは別に気になるのが、ウエルスナビの破綻などによる元本割れのリスクです。
これについては、投資家の資金は分別管理で大手銀行などにあずけられているため、たとえ倒産したとしても、返済されないというケースははまずないでしょう。
さらに、日本投資者保護基金にも加入しているので、最大1,000万円までは確実に補償されることになります。
ほとんどの投資家はその範囲内で運用しているので、破綻による元本割れのリスクはほぼゼロと考えてよいでしょう。
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▼WealthNaviのリスク許容度は以下の記事で解説しています!
【徹底比較】WealthNaviのリスク許容度のおすすめを紹介!ウェルスナビで損失が出たときの確定申告は?
ウェルスナビの利益は譲渡所得にあたり、ほかの所得とは区別して税額を計算する申告分離課税となります。
その税率は、以下のとおりです。
所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=20.315%
申告分離課税なので、給与から源泉徴収されているサラリーマンも確定申告する必要がありますが、以下の場合はそれが免除されます。
- 年収2,000万円以下の給与所得者:年間の譲渡所得が20万円以下のとき
- それ以外の人:譲渡所得をふくめた年間所得が基礎控除額の38万円以下のとき
また、株式投資や投資信託では「特定口座(源泉徴収あり)」を開設すると、業者側があらかじめ利益から納税分を差し引いてくれます。
この場合も、やはり確定申告の必要はありません。
さて、問題はウエルスナビで損失が出てしまった場合の申告についてです。
税金はあくまで利益のみにかかるので、トータルで損失のほうが大きい場合は申告を行う必要はありません。
しかし、譲渡所得では損益通算という考え方があり、ウエルスナビ以外の損益も合わせて計算することができます。
たとえば、サラリーマンの場合、ほかの日本株式や投資信託で20万円以上の利益が出ていたとしても、ウェルスナビで損失があればそれを差し引いて、申告の必要がなくなるわけです。
また、譲渡所得には損失を翌年から最大3年間まで利益から差し引くことができる繰越控除というシステムもあります。
こちらは、たとえば10万円の損失を出した翌年に20万円の利益が出たとしても、年をまたいで合算して申告不要とすることができるわけです。
この損益通算や繰越控除を適用するには、損失が出た年にも確定申告を行っておく必要があります。
したがって、ウエルスナビで損失が出たときにも、たとえ課税はなくてもできるだけ確定申告はしておいたほうがよいでしょう。
「源泉徴収あり」の特定口座は確定申告ができないので、このような節税対策も行えなくなってしまいます。
特に、給与所得者の場合は20万円以下の利益でも税金が徴収されてしまうので、少額の利益しか出ていない人にはかえって損になるケースもあります。
特定口座には「源泉徴収なし」のタイプもあるので、できればこちらを選ぶようにしたほうがよいでしょう。
源泉徴収がないので確定申告は行わなければいけませんが、損益を記載した「特定口座年間取引報告書」が交付されるので、手続きがとても簡単になります。
ウェルスナビの損失まとめ
ここまで、ウェルスナビの損失についてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。
ウェルスナビでは、あくまで長期的な運用を前提としたポートフォリオが組まれています。
そのため、相場や為替の影響による損失が出たとしても、それは一時的なものにすぎません。
そのまま運用をつづけていけば、高い確率で価格が回復していくはずなので、絶対に損切りなどをしないようにしましょう。
自動積立を行っているとさらに損失のリスクを減らすことができるので、ぜひ活用してみてください。
ウェルスナビではとにかく、細かい損失にいちいち気をとられないようにする、というのが最大のコツとなります。
長い目で、のんびりと運用を見守っていきましょう。
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